文部科学大臣杯第56回全日本大学男子ソフトボール選手権大会
結果
大会概要
全日本大学男子ソフトボール選手権大会(以下、男子インカレと称する)は、9月11日(土)~13日(月)の3日間にわたり、男子選手憧れの聖地「富山県岩瀬スポーツ公園ソフトボール場」において、2年ぶりに開催された。昨年度、半世紀を超えるインカレの歴史上初めて中止となったが、本年度は昨年、涙を飲んで卒業していった先輩たちの想いも背負った大会であったこともあり、文字通り熱い戦いが繰り広げられた。
決勝戦は日本体育大学vs福岡大学の昨年度の選抜大会と同じ顔合わせとなった。その結果、日本体育大学が2年ぶり(昨年度中止のため)32回目の優勝を飾り、昨年度の大学選抜大会優勝と合わせれば、実質、5年連続大学日本一となった。日本体育大学は歴代でも屈指の好投手とも評された小山玲央投手(現平林金属)が卒業したということもあり、チーム力の低下もささやかれていたが、ふたを開けてみれば、チームとしてのまとまり、選手層の厚さは他を寄せ付けず、決勝戦こそ接戦となったものの、他を圧倒する戦いぶりで、まさに『王者日体』を体現することとなった。
準優勝の福岡大学は大学ソフトボール界No1左腕の海邉和也投手が決勝で得点されるまで無失点を続け、堅い守りに加え、ここぞという時の集中打など、昨年以上のチーム力と思われたが、残念ながら雪辱はならず、6度目の準優勝となった。
この2校に加えベスト4には中京大学、国際武道大学が進出し、準決勝は偶然にも昨年度と全く同じ対戦カードとなった。やはり両チームともそれぞれ守屋ダニエル投手、中島翼投手を中心とした力のある投手陣を誇り、安定した守備とそつのない攻撃で勝ち進み、存分に力を発揮していた。
この他、中京大学とタイブレイクを含む3時間近い接戦を繰り広げた日本福祉大学。攻守にまとまりのあった関西大学。粘り強く攻め続けた京都産業大学などの好チームが目についた。特に数少ない国立大学の中で中京大学と対等に渡り合った京都大学は柴原渓介投手の好投とともに印象的であった。
また、今大会は昨年に引き続き、UNIVAS(一般社団法人大学スポーツ協会)のご協力により、全試合をLIVE配信することができた。多くの視聴者の方に画面を通して観戦していただけたのは、大学ソフトボール、とりわけ活性化が大きな課題となっている男子ソフトボールの魅力を発信することにつながったのではないかと思う。
以上のような素晴らしい面も多かった一方、大会出場の手続きに不備・不手際が多々あり、大学ソフトボール界の頂点を決める最高峰の大会に出場するにはそぐわない学生、あるいはそれを指導する指導者の問題も少なからずあった。
さらに、新型コロナウイルス感染拡大が収まらない中での大会であったため、主管協会と大学連盟は様々な工夫と労力をかけ、でき得る限り最大限の感染対策を行って大会を運営した上で無観客試合とした。しかし、残念ながら、わずかではあるが保護者と見受けられる方が来場し、巡回担当学生の無観客開催への協力の呼びかけはおろか、学連役員の呼びかけにも応じず、観戦していた姿があったのは大変残念であった。そのため、該当するチームの指導者にはその事実を伝え、チームとして保護者などの観戦者にも責任を持つように指導せざるを得なかった。このような保護者の利己的で非常識な行為が、選手やチームの足を引っ張り、大学連盟や大学ソフトボールそのものの信頼を失することに気づいていただきたいと強く思う。同時に新型コロナウイルスの感染状況によっては、今後も無観客となることもあり得ることから、そうした場合を想定し、全チームが自チームの実情に応じた対応策の策定を義務付ける必要があるのではないかと考えている。
最後になりましたが、本大会を開催するにあたり、富山県、富山市の自治体や地域の皆様、UNIVAS関係者の皆様、公益財団法人日本ソフトボール協会関係者の皆様、そして、試合会場で献身的に動いていていただいた一般社団法人富山県ソフトボール協会関係者の皆様、松本大学女子ソフトボール部員の各位には本当にお世話になりました。皆様のお力添えにより無事大会を終了することができましたこと、改めて御礼申し上げます。ありがとうございました。